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AIで作った画像を「触れる」ようにしてみた話
AIで人物画像を作るのが当たり前になりました。ただ、できあがった画像は結局「見るだけ」で終わりがちです。せっかくきれいな肌が描けているのに、それに触れないのはもったいない。そう思って、AI画像をそのまま触れるようにする仕組みを作りました。
AI画像は「見るだけ」で終わってしまう
AI画像生成が普及して、誰でも数十秒できれいな人物画像を作れるようになりました。ところが、作った画像の使い道は意外と限られています。SNSに上げる、フォルダに貯める、それで終わりです。
画像は静止したままで、こちらから働きかける手段がありません。動画生成に進む人もいますが、あれは「見せられる」体験であって、こちらが触れているわけではない。その中間が抜けていると感じました。
押した所がへこむ、という当たり前を作る
最初に作ったのは、押した場所の画像を縮めるだけの単純なものでした。動きはするのですが、肌には見えません。人が「肌だ」と感じているのは形の変化そのものより、へこみによって光の当たり方が変わること、そして血の気が引いて色が変わることだったからです。
そこで、押した場所の高さの変化から面の傾きを計算し、写真の中の光の向きを推定して、その光で塗り直すようにしました。影になる側は皮下散乱で赤みを帯びるので、暗くする時に青と緑を先に落とします。これだけで、ぐっと肌に近づきます。
押した所が白くなり、離すと血色が戻る
実際の肌を押すと、その部分は白っぽくなります。毛細血管の血が押し出されるからです。指を離すと1〜2秒かけて血色が戻り、その間、周囲がわずかに赤らみます。医学では毛細血管再充満と呼ばれる現象です。
この色の変化を入れると、「生きた肌」という印象が一段上がります。形だけを変形させていたときとは別物になりました。人は無意識にこの手がかりを見ているのだと思います。
部位によって沈み方が違う
額を押しても、ほとんど沈みません。骨がすぐ下にあるからです。一方で頬やお腹は深く沈み、周りの肉が盛り上がります。同じ力で押しても、場所によって結果がまったく違います。
そこで画像から顔478点・体33点の位置を推定し、部位ごとに「骨までの軟部組織の厚み」を割り当てました。額や鼻すじは浅く硬く、頬・唇・お腹・太ももは深く柔らかく沈みます。判定はすべて端末の中で行われ、画像がどこかへ送られることはありません。
AI画像でも実写でも、同じように動く
この仕組みは、写真かAI生成画像かを区別しません。肌が写っていて、顔や体の形が判別できれば、同じように触れます。AIで作ったイラスト寄りの絵でも、肌色の面があれば反応します。
手持ちのAI画像を読み込んで、頬を押してみてください。自分が作った画像に触れる感覚は、見ているだけのときとはかなり違うはずです。